宗教、思想、文化、芸術など、インドと日本との間では、近代以降、実に幅広いジャンルにおいて交流がなされてきました。
1964 年に個人の海外渡航が自由化されると、多くの若者が日本を脱してインドへ旅するようになります。それから現在まで、さまざまな視点で「混沌のインド」に向き合ってきました。さらに近年では、新興経済国としてのインドにも高い関心が集まっています。
本展は、戦後の日本とインドの交流のなかで、日本にさまざまな形で積み重ねられた「インド」を多彩な作品でご紹介します。
日本におけるインドのイメージがどのように形成されてきたか。また、それが現代の日本文化にどのような影響を与えてきたのか。それらを明らかにしようとする展覧会です。
第一部では、太平洋戦争後、日本のアーティストによるインドをテーマとした表現に焦点をあてます。特にインドの文化や精神世界への憧れが広く見られた1960年代以降、絵画や写真、デザイン、映像といったさまざまな視覚表現の諸分野で、インドの美意識や造形は日本のアーティストを魅了してきました。それがどのようなものだったのか、そしてそれが日本でどう展開されたのかを探ります。
また第二部では、日本の個人コレクターが蒐集してきた多彩なコレクションをご紹介します。インドに頻繁に足を運び続ける市井のコレクターが、各々の美意識やこだわりのもとに集めてきた絵画、印刷物、民芸品など、これまで一般公開されることのなかった秘蔵コレクションを公開します。(ここでいうインドとは、「インド亜大陸」の意です)

横尾忠則≪悠久の愛≫ 1991年 個人蔵

畠中光享≪塩の行進≫ 2007年 個人蔵

黒田豊コレクション≪ジャハーンギール≫ 19世紀末
■開催期間:2012年1月21日(土)~2012年3月11日(日)
■会場:福岡アジア美術館
■ホームページ:http://faam.city.fukuoka.lg.jp/
■住所:福岡県福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8階
■お問合せ先:092-263-1100