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正岡子規と美術

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近代俳句の革新者として知られる、正岡子規(1867-1902)。
愛媛県松山市に生まれた子規は、浅井忠、中村不折ら洋画家と親しく交流し、子規の文学の根本をなす「写生」の理論も、彼らとの交流の中で育まれたといわれています。

子規の文学、それは「過去の因習や主観を捨て、目の前に見えるものの客観的な描写によって、真実に到達しようとする」思考のあり方です。明治という時代の精神を象徴するものともいえるでしょう。
本展は、子規が自ら描いた絵画作品をはじめ、自然のなかの美を追い求めた明治の画家たちの作品をご紹介するものです。第1章『「写生」の水脈』は、イタリア人教師フォンタネージによってはじめて本格的な美術教育を受けた小山正太郎や浅井忠、小山に学んだ中村不折らの作品から、子規の生きた時代を振り返ります。第2章『不折と為山』では、「写生」によって対象を捉え、客観的に表現する方法を子規に直接伝えた、同世代の二人の画家、下村為山と中村不折に注目します。画家たちとの対話は、子規の俳論にも大きな影響を与えたことが指摘されています。

若くして肺結核を発症し、過酷な闘病生活を送りながら、子規は多くの絵を描きました。第3章『子規の絵』では子規自筆の絵と、周辺の美術家たちによって描かれた子規の肖像などを展示。自らの死を受け容れながら、なおも命あるものの不思議さ、美しさに強く執着する、病床の子規の息づかいを感じていただけます。
また、第4章『自然へのまなざし』は、晩年の子規が身のまわりの些細なことに普遍的な美を見出したように、自然を愛し、なにげない日常の中の美しさをとらえようとした画家、黒田清輝をはじめとする白馬会の画家たちの作品を展覧。それらを通じて、子規の世代の美術が目指したものを探ります。

正岡子規≪蔓草と鶏頭≫ 1901年頃 松山市立子規記念博物館 ※3月4日まで展示
正岡子規≪蔓草と鶏頭≫ 1901年頃 松山市立子規記念博物館 ※3月4日まで展示

正岡子規≪果物図≫ 1902年 個人蔵
正岡子規≪果物図≫ 1902年 個人蔵

浅井忠≪農夫帰路≫ 1887年 ひろしま美術館
浅井忠≪農夫帰路≫ 1887年 ひろしま美術館



■開催期間:2012年2月11日(土)~2012年4月15日(日)
■会場:横須賀美術館
■ホームページ:http://www.yokosuka-moa.jp/
■住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
■お問合せ先:046-845-1211

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